東洋薬行

漢方療法Q&A

漢方薬の安全な服用法とは?
漢方は自然の生薬を用いていますから、基本的には体に優しい薬剤といえるでしょう。
しかし、あくまでも医薬品ですから、症状によっては強い作用をもった薬材を使用する場合もあります。
使用の際には漢方の専門医のいる医療施設や、漢方専門の薬局・薬店で相談することが大切です。
個人輸入などで入手することもできるようですが、市販の風邪薬のように安易な気持ちでの服用は避けましょう。
また、正しい服用をしてこそ、漢方本来の効果を得られるものと考えてください。
漢方薬の服用は簡単ですか?
漢方薬というと、昔から薬草を煎じて飲むイメージが強いようです。
確かに煎じ薬もありますが、薬材が多種多様なので、薬の剤型も散剤、液剤、軟膏剤などさまざまです。
また、製剤技術の発達した現在では、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などにしたエキス製剤も多く使用されています。
これらは携帯に便利で服用も簡単ですが、症状に応じて従来の煎じ薬が併用される場合もあります。
漢方薬は長く服用しないと効かない?
漢方薬は効き目が穏やかで長く服用しないと効果が見えないと思われがちです。
しかし、漢方薬は長い歴史の中で人々の疾病を治療し、健康な生活を守ってきたのですから、その事実からも薬剤としての優れた効能を知ることが出来ます。
ただし量産される一般的な薬とは異なり、自然の生薬ですから、同じ材料でも品質によって効能に差が出ることがありますし、専門家による症状を見極めた適切な薬材の選択・調合も大きなポイントとなります。
漢方薬は他の薬と併用しても大丈夫?
一般薬の場合、風邪の熱・頭痛には解熱鎮痛剤を用いるように対症療法が基本となりますが、漢方薬ではそれに加えて、症状によって弱った体の内部の働きを活発にして治療効果を高めます。
したがって漢方と西洋医学では考え方に差異があり、薬剤併用の是非は課題となっているのが現状ですが、多くの場合では併用しても問題がないようです。
しかし、併用する薬剤によっては必ずしも安全とはいいきれませんから、併用する際には漢方専門の医師・薬剤師に相談してください。
漢方薬に副作用はあるのですか?
漢方薬は、数千年に渡る歴史を背景として培ってきた治療ですから、その安全性は21世紀までの時間をかけて実証されてきたといえるでしょう。
しかし、自然の生薬とはいえ強い作用を発揮する薬材もありますので、間違った服用をすれば予期せぬ結果をもたらす場合もありますが、現在では充分な研究がなされていますから、より効果的で、より安全性の高い漢方治療が施されています。
通常の場合、漢方薬は複数の生薬を組み合わせて処方しますが、これにより作用の強化と副作用の減少も図られています。
以上の要素などから、漢方薬の副作用は、きわめてまれなものと考えられています。
漢方薬のエキス剤とは?
漢方のエキス剤には「医療用漢方製剤」と「一般用漢方製剤」があります。
現在の医療機関から供給される漢方薬は、ほとんどがエキス剤といっても良いでしょう。
エキス剤は高度な製材技術により最新設備の整った工場で作り出されます。
これによって漢方薬の品質が安定すると共に、つねに一定した品質の製剤を供給することが可能となりました。
煎じる人の練度や成分・濃度などのばらつきを解消でき、今までは各家庭で煎じなければ服用できなかった漢方薬を、簡単に服用することができるようになりました。
漢方原料に限りはあるのですか?
漢方薬は、自然の恵みである生薬を原料としていますから、第一段階となる生薬の優劣で薬剤の品質が決まるといっても過言ではありません。
ですから、品質の高い薬材を選択・入手し、効能に優れた薬剤を安定して供給していくためには、主要な原産国となる中国との流通ルートの構築などが必要です。
また生薬は天然素材ですから、品質や収穫量等は天候をはじめ多様な要素に左右されます。
そのため優れた生薬を最適な状態で保存する冷凍倉庫など、先端設備による原料在庫の確保も安定供給のためには欠かせない大切な要素となります。
服用する漢方薬はどうやって決めるのですか?
検査によるデータから医師が診断して投薬する一般的な治療とは異なり、漢方薬では長い歴史と経験が培ってきた独自の治療理論によって、個々の症状・体質・体格等に合わせて最適な処方を行います。
さらに症状の時期(初期症状や治りかけ)など、その時々の個人差を重視した、いわばオーダーメードともいえる処方が漢方薬の特徴です。
そのため対話による様々な問診が必要ですし、使用する薬剤や服用法などの説明も大切です。
詳細な情報の把握がより良い漢方治療につながりますから、医師・薬剤師が納得できるよう患者側からも症状の詳細な説明を心がけてください。
漢方薬の保管方法は?
漢方薬は、生薬が原料ですから、保管方法は漢方の医師・薬剤師から説明を受け、基本的に高温・多湿・直射日光を避けて保管してください。
間違った保管方法は薬剤の品質変化をもたらす可能性もあります。
また小さなお子さまへの配慮から、手の届かない場所を選んで保管してください。
白湯に溶かした漢方エキス剤を飲み忘れた場合、時間が経っていなければそのまま飲むことができますし、当日中であればラップをして冷蔵庫で保管しておけば問題ありません。